美しい土の里から

February 5, 2015

 

2004年の法律改正によって、家畜排せつ物の適正な処理が義務づけられた町内の13軒の酪農家を助けるために、町は牛糞を一カ所に集めて処理する施設を作ることにしました。そして、大がかりになるこの施設を町民みんなのためになるものにできないかと、眠っている資源を利用して堆肥を作ることを考えました。これが「美土里堆肥」作りの始まりです。使い道がなくそのまま山に放置されている間伐材と落ち葉、稲刈りのあと焼却されるもみ殻、食物の生ゴミ、そして牛糞など、これらをすべて利用した、いわば昔ながらの完全堆肥作りです。そしてさらに、微生物を繁殖させ土そのものを強く出来る竹を使うことになりました。特殊な粉砕機で竹の中にある乳酸菌を壊さぬ微粉末にして堆肥の原料にします。私たちの町の7割が森林。そこから集められた間伐材が買い取られ、おが粉に粉砕されます。一袋400円で買い取られる落ち葉集めは、農家の冬場の農閑期の仕事になりました。落ち葉には土着菌が住み着いています。地元の菌が、地元の土をつくります。混ぜ合わされた堆肥に手を差し込むともう発酵が始まっていてポカポカと温かい。発酵槽の中に入れられ25日間かけて攪拌され続けます。微生物の呼吸熱で温度は85度。白い湯気が立ち上ります。完熟した美土里堆肥。においが全くなくサラサラとしているのは良い発酵がなされた証拠です。美土里堆肥は直接作物を太らせる即効性の堆肥ではありません。土を健康にして作物本来の力を引き出す堆肥です。人の体にミネラルの必要量があるように、健康な野菜が育つためには必須ミネラルが完璧である土が必要で、この土を作れるのが美土里堆肥ということです。美土里堆肥は町の農家さんにとても愛されています。土が柔らかくなった、収穫量や収穫時期が延びる、作物のえぐみが消え甘みが増した、根が増え倒れにくくなったなど。作物本来の力を引き出しくれます。さらに、この美土里堆肥が生み出すもうひとつの大切なもの。堆肥を作るために山に人の手が入ることです。里山は手入れされることによって循環し健全で有り続けるからです。

 

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